柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(4)

物体から離れていく観測者から、物体の時間がどう見えるか、グラフで考える4回目です。 前回は、観測者から見た物体の時間の進み を、観測者が物体を見る時刻 の関数として求めました。 (式1) 物体と観測者には距離があるので、観測者は過去の物体を見て…

逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(3)

前回からちょっとあいてしまいましたが、物体から離れていく観測者から、物体の時間がどう見えるか、グラフで考える3回目です。 前回は、観測者から見た物体の時間の進み を の関数として求めました。 は物体の時間の進み、 は観測者の時間の進み、 は観測…

加速する物体の見かけの加速度(3改)

一昨日の記事で、等加速度 で動く物体を慣性系から見たときの見かけの速度 について、観測者に近づいてくる場合は、 (式1) 離れていく場合は、 (式2) という式を導きました。 また昨日の記事で を計算しておきました。 (式3) (式4) 今回は、これ…

exp φ(t)の微分

昨日の記事で、等加速度 で動く物体を慣性系から見たときの見かけの速度 について、観測者に近づいてくる場合は、 (式1) 離れていく場合は、 (式2) という式を導きました。 の定義は、 です。 この式1、2について、昨日の記事では「微分がしやすい」…

式はどこまで変形する?

以前、等加速度 で動く物体を慣性系から見たときの見かけの速度について、ラピディティの考え方で書いてみました。 そのとき、観測者に近づいてくる加速する物体の、観測者から見た速度 は、 (式1) 観測者から離れていく加速する物体の場合は、 (式2) …

加速する物体の見かけの加速度(2改)

一昨日の記事につづき、ラピディティの考え方を使って、「加速する物体の見かけの加速度(2)」を書き直してみます。 ---------- 等加速度 で動く物体の見かけの速度 は、一昨日の記事で求めました。 観測者に近づいてくる場合は、 (式1) 離れていく場合…

sinhφ(t)の微分

昨日の記事で、ラピディティの考え方を使って、「加速する物体の見かけの加速度(1)」を書き直しました。 その際、時刻 での微分を使いましたが、このあとも使用することがあると思いますので、整理しておきます。 まとめると、 です。

加速する物体の見かけの加速度(1改)

等加速度 で動く物体を慣性系から見たときの見かけの速度と加速度について記事を書きました。 ただ、計算式が複雑になりすぎて…。 そこで、ラピディティの考え方で書いてみたらどうなるか、試したいと思います。 ----------- 等加速度 で動く物体を慣性系か…

加速する物体の見かけの加速度(2)

前回の記事で、等加速度 で動く物体の見かけの速度 を求めました。 観測者に近づいてくる物体の見かけの速度は、 (式1) 離れていく物体の見かけの速度は、 (式2) でした。 今回は、これらから、見かけの加速度を求めてみます。 式1、式2を で微分す…

逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(2)

物体から離れていく観測者から、物体の時間がどう見えるか、グラフで考える2回目です。観測者が等加速度で物体から離れていく場合について考えます。(物体が観測者から離れていくの逆パターンです) 物体がいる慣性系から見た観測者の軌道を とします。(…

逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(1)

以前、観測者から離れていく物体の時間がどう見えるか、グラフで考えてみました。 今回は、その逆パターンとして、観測者のほうが動く場合を考えます。 なお、等速度の場合は、観測者が止まっていて物体が動いていると考えても、同じ結果なるはずですが、ま…

加速する物体の見かけの加速度(1)

等加速度 で動く物体を慣性系から見たとき、その速度 は、 (式1) です。( は物体自体の加速度、 は慣性系での時刻)求め方は「深宇宙探査機を見送る(2)」を参照ください。 で ですので、時間の経過とともに速度は光速度に近づきます。 式1を で微分…

加速度運動する物体の系との座標変換(3)

一昨日、昨日の記事につづいて、今回は、慣性系Aにいる観測者の座標を加速度運動する物体がいる慣性系A’の座標に変換してみます。 座標変換の式は、 (式1) (式2)でした。 系Aでの観測者の位置は で変わりません。 式1に を代入します。 (式3)です…

加速度運動する物体の系との座標変換(2)

昨日の記事で、観測者の慣性系Aと、等加速度運動する物体の慣性系A'との座標変換の式を導きました。 (式1) (式2) 系Aから見た物体の軌道は、 です。(時刻 で位置 としました) 加速度運動する物体は、次々に慣性系を乗り継いでいきます。 系Aから見た…

加速度運動する物体の系との座標変換(1)

加速度運動する物体は次々に慣性系を乗り換えていきます。物体は、瞬間瞬間、その慣性系に固定されています。 その物体を見ている観測者がいる慣性系Aでの座標 を、物体が「いま」いる慣性系A'での座標 に変換してみます。(今回は、系Aから系A'への座標の変…

電~

いままでに自分たちの社会になかった新しい概念が他の社会から入ってきたとき、それを言葉としてどう表すか。 日本にはカタカナという便利な文字があるので、わたしは、言語の発音に近くカタカナで表すのがよいと思っています。 意味のある漢字を組み合わせ…

グラビティ

このブログは重力をテーマに書いていますが、7年ほど前(2013年)、ずばり「Gravity」というタイトルの映画が公開されました。(結構面白いです) ところが、なぜか日本で公開されるとき、「ゼロ・グラビティ」という真逆の邦題がつけられていました。 …

離れていく物体の時間をグラフで考える(4)

観測者から離れていく物体での時間がどう見えるか、グラフで考える4回目、昨日の記事のつづきですです。 等加速度で離れていく物体の軌道を 、物体の速度を としています。 は観測者から見た物体の位置、 は観測者の時刻、 は物体自体の加速度、 は観測者か…

離れていく物体の時間をグラフで考える(3)

観測者から離れていく物体での時間がどう見えるか、グラフで考える3回目、昨日の記事のつづきですです。 等加速度で離れていく物体の軌道を としました。 観測者から見た物体での経過時間は 倍になることがわかりました。 (式1) ただし、式1には特殊相…

離れていく物体の時間をグラフで考える(2)

観測者から離れていく物体での時間がどう見えるか、グラフで考える2回目です。今回は、等加速度で離れていく物体について考えます。 観測者から見た物体の軌道を とします。(時刻 で位置 に物体があります) は物体の位置、 は物体自体の加速度、 は観測者…

離れていく物体の時間をグラフで考える(1)

観測者から離れていく物体での時間がどう見えるか、グラフで考えてみます。 観測者から見た物体の軌道を とします。(時刻 で位置 に物体があります) は物体の位置、 は物体の速度、 は観測者の座標での時刻です。 物体から観測者に向かって光が2回放たれ…

事象の地平線の向こう側を知る

「事象の地平線(地平面)より先の情報を知ることはできない」と言われていますが、その言い方は正確でしょうか。 例えば、われわれはブラックホールの質量(シュヴァルツシルト半径の内側にある)を知ることができます。周囲の天体の動き(ブラックホールの…

擦れ違う物体の速度(2)

昨日の記事で、物体が観測者とすれ違う場合の、観測者から見た物体の速度を求めました。 物体が観測者に近づいてくる位置にいるときには、 物体が観測者から離れていく位置にいるときには、 でした。ここで、 は観測者がいる慣性系での物体の速度、 はすれ違…

擦れ違う物体の速度(1)

観測者に向かってくる・離れていく物体の速度について、何回か記事を書きました。 物体の速度(観測者がいる慣性系に対する速度)が のとき、正面から向かってくる物体を観測者から見た速度は、 離れていく物体を見た速度は となります。 でも、正面から向か…

動いている物体の時間の伸びの補足

慣性系Aから、相対速度 で動く他の慣性系A'を見たとき、A'の時間は、 倍に伸びて(ゆっくり進むように)見えます。 慣性系Aに観測者が固定されていて、慣性系A'に物体が固定されているとき、観測者から見た物体の時間は、 倍(物体が観測者に正面向かってく…

「系vs.系」vs.「観測者vs.物体」のまとめ(2)

「慣性系vs.慣性系」と「観測者vs.被観測物」との比較の第2回目は、被観測物が加速度運動している場合についてです。 加速度運動する物体は、次々に慣性系を乗り継いでいきます。 ①速度 ・慣性系vs.慣性系 観測者がいる慣性系と、等加速度で運動する物体が…

「系vs.系」vs.「観測者vs.物体」のまとめ(1)

「慣性系vs.慣性系」と「観測者vs.被観測物」との比較をまとめておこうと思います。(以前類似の記事「系の視点、観測者の視点」を書いていますので、そちらも参照ください) ①共通 ・慣性系vs.慣性系 系と系との関係は、相対速度、軸の方向、原点 の違いで…

特殊と一般の違い

特殊相対性理論と一般相対性理論の違いは、一言で言うと、特殊は「慣性系vs.慣性系」の相対性であるのに対し、一般はそれをベースとしたうえでの「観測者vs.被観測物」の相対性であるということです。 特殊のポイントとしては、・時空間はミノフスキー空間・…

角の三等分問題

角の三等分問題とは、任意の角を定規とコンパスだけを使って三等分するという問題です。 一般的な解がないことは、証明されています。(1837年、フランスの数学者ピエール・ローラン・ヴァンツェルン) にもかかわらず、いまでも、「解けた」が出るよう…

計算の検証

量子力学でも相対性理論でも、物理で計算をやっていると、間違いが入り込むことがあります。(計算といっても数値計算ではなく式の変形です) 今回は、計算の検証ついて。 (1)式の変形で単純な間違いはないか うっかり、項をひとつ書き忘れたり、変数を示…