柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

相対性理論

特殊と一般の違い

特殊相対性理論と一般相対性理論の違いは、一言で言うと、特殊は「慣性系vs.慣性系」の相対性であるのに対し、一般はそれをベースとしたうえでの「観測者vs.被観測物」の相対性であるということです。 特殊のポイントとしては、・時空間はミノフスキー空間・…

加速度運動の非相対論的近似

いままで、加速度運動する物体の速度や位置、加速度運動する観測者から見た物体の速度や位置を求めました。 等加速度 で運動する物体の速度と位置は、 (式1) (式2) 加速度運動する観測者から見た物体の速度と位置は、 (式3) (式4) でした。 これ…

速度の合成の式は最強

特殊相対性理論で出てくるいろいろな式の中で、速度の合成の式は、最も強力だと思います。 速度の合成の式はどういう式だったか、復習しておきます。 系Aから見て、系A’は速度 で動いています。系A’から見て、物体Cが速度を で動いています。系Aから見た、物…

「回転する円周の縮み」の補足

「回転する円周は伸びて見える」という解説を見かけましたので、注意喚起の意味も兼ね、補足しておきます。 その解説をよく読むと「回転する観測者から見ると円周は伸びて見える」と書いてありました。 観点する観測者は、静止している円盤から見ると、円周…

おなじみの「回転する円周の縮み」(2)

回転する円盤の円周の接線方向の速度を回転の角速度から計算してみます。 角速度を 、円周の半径を とすると、非相対論であれば、接線方向の速度 は、 (式1)です。 しかし、相対論を考えると、円周によって速度が異なるということは、時間の流れが異なる…

おなじみの「回転する円周の縮み」(1)

特殊相対性理論では、速度 で動いている物体の長さは 倍に縮んで見えます。 回転する円盤の円周も、ある速さで動いていますから、縮んで見えます。 円周が縮むと、その長さが ( は円盤の半径)より短くなることから、「平面の円盤ではなくなる。特殊相対性…

ふたつの時間の遅れ

特殊相対性理論によれば、動いている系の時間は伸びて(ゆっくり進むように)見えるということでした。 系Aから見て系Bが速度 で動いているなら、逆に、系Bから見て系Aも速度 で動いています。 速度による時間の伸びは対称で、互いに相手の時間が伸びて…

GPSの時間補正は相対論の証明か

相対性理論の応用として、GPS(全地球測位システム)(GNSS(衛星測位システム)と言ったほうが正確かもしれません)がよく挙げられます。 相対性理論を用いたGPS衛星での時間補正が必要な理由として、 軌道速度(秒速約4キロメートル)のため特…

アインシュタインへの質問

相対性理論の内容についてではないのです。 お尋ねしたいことがあります。 (1)「光速度不変」について 特殊相対性理論は、光速度不変を金科玉律として組み立てられています。 ところが、特殊相対性理論を出されてからしばらくたって以降は、あまり「光速…

「相対性理論は間違っている」に出会ったら(3)

昨日の記事につづき、「相対性理論は間違っている」に出会ったときの対処法の3回目、最終回です。 「一般相対性理論が間違っている」に出会ったとき、どうすればよいでしょう。 (3)「一般相対性理論が間違っている」場合 ①「この一般相対性理論の説明は…

「相対性理論は間違っている」に出会ったら(2)

昨日の記事につづき、「相対性理論は間違っている」に出会ったときの対処法の2回目です。「特殊相対性理論が間違っている」に出会ったとき、どうすればよいでしょう。 (2)「特殊相対性理論が間違っている」場合 ①「光の速度は不変じゃない」 光の速度は…

「相対性理論は間違っている」に出会ったら(1)

「相対性理論は間違っている」に出会ったときの対処法を何回かに分けて書きます。 (1)何が間違っていると言っているのか ①「特殊相対性理論が間違っている」のか、「一般相対性理論が間違っている」のか 「特殊相対性理論が間違っている」と言っているの…

特殊相対性理論との整合性

一昨日の記事で、遠ざかる速度が距離に比例する物体について書きました。 この物体の動きには(特殊)相対性理論が考慮されていません。言い換えると、特殊相対性理論を受け入れるなら、このような物体の動きはあり得ないということです。 「観測者の視点」…

向かってくる・遠ざかっていく物体での光速度(2)

重力ポテンシャルがないところでも、ドップラー効果によって光の速度が変わって見えてしまう件ついて。 昨日は、それを解明する準備として、ローレンツ変換での時間や長さの伸び縮みについて復習しました。 その際の計算式で、光が斜めに進む距離 について、…

向かってくる・遠ざかっていく物体での光速度(1)

以前の記事で、向かってくる・遠ざかっていく物体では、見かけの速度によっての時間の伸び縮みがあることを書きました。これは、ドップラー効果によるものです。 「どうせ見かけの速度でしょ」と思われるかもしれませんが、一般性相対性理論では重力ポテンシ…

そう見えることと、そう在ること

われわれの日常では、そうは見えているけど、実際はそうではない、ということが時々あります。 あの先生は怖そうに見えるけど、実は優しい、など。 物理の世界ではどうでしょうか。 量子力学では「測っていない値は存在しない」という考え方があるようです。…

重力は幻想? 相互作用?

一般相対性理論に従うなら、重力は、時空間の曲率の変化がもたらすもの。加速度運動や自由落下で、生み出したり、消したり、できる。したがって、重力とは、見かけの力(または幻想)である、ということに、大半の物理学者は異論がないように思えます。 にも…

三つの視点・観測者

物理量でが出てきたときには、誰から見た量なのか、誰が測った量なのかが、とても重要です。 三つの視点があります。 (1)宇宙全体を同時に見渡せる視点 いわゆる宇宙の神の視点です。 そういう視点は実施にはありません。(観測者が光速度で移動しなけれ…

なぜむつかしい、相対性理論

アインシュタインの相対性理論はむつかしい。それは…。 (1)一般相対性理論はあまりにも一般的すぎる 特殊相対性理論の次に、球対称とか、一様とか、性質の良い時空間を扱う理論があってよかったのではないかな。 (2)道具立てがむつかしい ときに、使用…

相対論の説明ワースト3

「相対論は間違っている」と考えさせるワースト3です。 第3位「重力が強いと時間が遅れる」 時間が遅れて見えるのは、重力ポテンシャルがあるときです。 相対論で、長さが縮むとか、時間が遅れるとかは、ある系から別の系を見たときに生じることであり、そ…