逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(3)
前回からちょっとあいてしまいましたが、物体から離れていく観測者から、物体の時間がどう見えるか、グラフで考える3回目です。
前回は、観測者から見た物体の時間の進み を の関数として求めました。
は物体の時間の進み、 は観測者の時間の進み、 は観測者の加速度、 は観測者が見る物体の時刻です。(物体と観測者には距離があるので、観測者が見る物体は、「いま」の物体ではなく、時刻 のときの物体です)
今回は、 を、観測者が物体を見る「いま」の時刻 で表してみたいと思います。
物体がいる慣性系から見た観測者の軌道は です。
物体から観測者に向かって、時刻 に光が放たれます。
光の軌道は、 です。
観測者が光を受ける(物体を見る)のは、光の軌道と観測者の軌道との交点になります。交点を とすると、(計算式の途中、掛け算の記号は省略します)
と とから、
です。
これを を表す式に変形します。
両辺に を掛けます。
第1項の2乗を展開し、
両辺から を引き、
両辺を で割り、
第1,2項を展開し、
を相殺し、
にかかる項をまとめ、
です。
の2次方程式になりましたので、根の公式 を使います。
、、 を根の公式に代入し、
となりますが、 は より過去(小さい)ですので、 の を選びます。
です。
これを で微分して、 を求めます。
第1項は、
第2項は、 と置いて、
です。
第1項、第2項合わせて、
です。
観測者から見た物体の時間の進みは、 で 。
つまり、物体の時間は止まって見えます。
ただし、、 は、物体の慣性系での時間間隔です。(つづく)