柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

事象の地平線の向こう側を知る

「事象の地平線(地平面)より先の情報を知ることはできない」と言われていますが、その言い方は正確でしょうか。

例えば、われわれはブラックホールの質量(シュヴァルツシルト半径の内側にある)を知ることができます。
周囲の天体の動き(ブラックホールの近くを周回する恒星の動き、降着円盤の回転速度)を観測することで間接的に算出できるのです。

また、 ブラックホールがどれくらいのスピードで回転しているかは、慣性系の引き摺りを観測すればわかるでしょう。

では、何を知ることができ、何を知ることができないのでしょうか。

「事象」の地平線ですから、地平線の向こうで起きる出来事(イベント)は知ることはできません。

われわれは、物理的なイベントの発生を、数値の変化を観測することで知ります。

イベントを知ることができないということは、数値の変化を観測することができないということです。
これは、逆に言えば、数値が変化しないもの、つまり物理的な保存量であれば、事象の地平線の向こうにあっても観測すること(知ること)ができるということになりますね。

質量、角運動量電荷、…。

もし、観測できていた数値が物理的な保存量でないことがわかったら、それは「事象の地平線」の意味が崩れたことになりますよ。

f:id:Dr9000:20200802191026j:plain