柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

離れていく物体の時間をグラフで考える(4)

観測者から離れていく物体での時間がどう見えるか、グラフで考える4回目、昨日の記事のつづきですです。

等加速度で離れていく物体の軌道を \displaystyle (x+(1/a))^2-t^2=(1/a)^2、物体の速度を \displaystyle v = \frac{a×t}{\sqrt{1 + (a×t)^2}} としています。

x は観測者から見た物体の位置、t は観測者の時刻、a は物体自体の加速度、v は観測者から見た物体の速度です。

前回の記事で、観測者から見た物体での経過時間は \displaystyle\sqrt{1+(a×t_s)^2}-a×t_s 倍になることがわかりました。(特殊相対性理論による時間の伸びの効果を加味しています)

 \displaystyle d\tau=\left(\sqrt{1+(a×t_s)^2}-a×t_s\right)×dt (式1)

式1を観測者から見た物体の位置で表してみます。

時刻 t_s のときの物体の位置 x_s は、

 \displaystyle (x_s+(1/a))^2-t_s^2=(1/a)^2

両辺に a^2 を掛けて、

 \displaystyle (a×x_s+1)^2-(a×t_s)^2=1

t_s の項を右辺に移して、

 \displaystyle (a×x_s+1)^2=1+(a×t_s)^2

です。

これを式1に当てはめます。

 \displaystyle d\tau=\left(\sqrt{1+(a×t_s)^2}-a×t_s\right)×dt

 \displaystyle =\left(\sqrt{(a×x_s+1)^2}-\sqrt{(a×x_s+1)^2-1}\right)×dt

 \displaystyle =\left( (a×x_s+1)-\sqrt{(a×x_s+1)^2-1}\right)×dt

 です。

x_s が大きくなる(物体が遠くなる)につれ、観測者から見た物体の時間 d\tau はどんどん伸び、ほとんど進まなくなっていきます。

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