逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(4)
物体から離れていく観測者から、物体の時間がどう見えるか、グラフで考える4回目です。
前回は、観測者から見た物体の時間の進み を、観測者が物体を見る時刻 の関数として求めました。
(式1)
物体と観測者には距離があるので、観測者は過去の物体を見ています。
今回は、 を観測者が見た物体との距離 で表してみたいと思います。
物体がいる慣性系から見た観測者の軌道は です。
観測者は物体から等加速度で離れていきます。
観測者が光を受けた(物体を見た)位置を とすると、物体が光を放った位置は ですので、その距離は です。
は観測者の軌道から、
を満たします。
式1に代入するため、 と を求めます。
まず、
を変形して、
です。
同じく、
です。
これらを式1に代入して、
となります。
観測者から見た物体の時間の進みは、 で 。つまり、観測者と物体の時間の進みは同じ。
また で 。つまり、観測者から見て物体の時間は止まっています。
ただし、 は物体の慣性系での時間間隔、 は物体の慣性系での距離であり、観測者のいる慣性系での時間間隔や距離ではありません。(つづく)