一昨日、昨日の記事につづいて、今回は、慣性系Aにいる観測者の座標を加速度運動する物体がいる慣性系A’の座標に変換してみます。
座標変換の式は、
(式1)
(式2)
でした。
系Aでの観測者の位置は で変わりません。
式1に を代入します。
(式3)
です。
式2に を代入します。
(式4)
です。
さて、系Aで物体が にあることを観測者が見るとします。
観測者が見るのは、物体からの光が観測者に届いたときです。
光速度を1とする単位系を使っていますので、物体からの光が観測者に届くのにかかる時間は、観測者と物体との距離と同じです。
観測者は位置 にいますから、物体からの距離は です。
観測者が にある物体を見る時刻 は、 になります。
これを系A'の座標で見るとどうなるでしょう。
物体の座標は、系A'では、
、
でした。
観測者の系Aでの座標は ですが、系A'での座標を とすると、式3,4から、
、
です。
系A'での物体と観測者の座標の時間差は、
です。
を使って 消去し、
(式5)
です。
一方、系A'での物体と観測者の距離は、
です。(正確には、この絶対値です)
こちらも を使って 消去し、
(式6)
です。
を消去するため、物体の軌道の式を変形します。
以外の項を右辺に移し、
両辺に を掛けて、
です。
これを式6に代入し、
(式6')
です。
式5と式6(式6')は一致しましたので、系A'においても、物体からの光が観測者に届くのにかかる時間は、物体との距離と同じであることがわかりました。