加速する物体の見かけの加速度(1)
等加速度 で動く物体を慣性系から見たとき、その速度 は、
(式1)
です。( は物体自体の加速度、 は慣性系での時刻)
求め方は「深宇宙探査機を見送る(2)」を参照ください。
で ですので、時間の経過とともに速度は光速度に近づきます。
式1を で微分すると、物体を慣性系から見たときの加速度 となります。
(式2)
求め方は「加速度系を見るとき、加速度系から見るとき(1)」を参照ください。
で ですので、時間の経過とともに加速度はゼロに近づきます。
一方、観測者に近づいてくる物体の、観測者から見た速度 は、
(式3)
観測者から離れていく物体の速度は、
(式4)
でした。(「向かってくる物体は超光速にも見える」を参照ください)
近づいてくる光速度は無限大に見え(光が出発したことを観測者が知ったとき、もうその光は届いている)、離れていく光速度は に見えます。
式1と式3を合わせて、観測者に近づいてくる加速する物体の、観測者から見た速度 を計算します。(掛け算の記号は省略します)
まず は、
です。
は、
分子・分母に を掛けて、
となります。
近づいてくる加速する物体の速度は、 で となります。
観測者から離れていく加速する物体の、観測者から見た速度 は、式1と式4を合わせて、同じように計算して、
となります。
で 。(どうなるでしょうか)
無理やり、
と考えて、分子・分母に を掛けます。
分子・分母を で割り、
ここで、 とすると です。
加速する物体の見かけの速度を求めましたが、長くなりましたので、次記事につづきます。