柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

時間の遅れ

深宇宙探査機に乗って、見る(8)

昨日の記事記事のつづきです。 地球から見た深宇宙探査機の速度は、X軸方向が、 (式1X) Y軸方向が、 (式1Y) です。 今回は、地球での時刻 を深宇宙探査機自体の時刻 に変換したいと思います。 地球での微小時間 と地球から見た深宇宙探査機自体の微小…

逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(6)

物体から離れていく観測者から、物体の時間がどう見えるか、グラフで考える6回目です。(このシリーズの最終回です) 前回は、観測者から見た物体の時間の進み を、観測者と物体との距離 の関数として求めました。 (式1) ただし、 は物体の慣性系での観…

逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(5)

物体から離れていく観測者から、物体の時間がどう見えるか、グラフで考える5回目です。(このシリーズ、長いですね) 前回は、観測者から見た物体の時間の進み を、観測者と物体との距離 の関数として求めました。 (式1) ただし、 は物体の慣性系での時…

逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(4)

物体から離れていく観測者から、物体の時間がどう見えるか、グラフで考える4回目です。 前回は、観測者から見た物体の時間の進み を、観測者が物体を見る時刻 の関数として求めました。 (式1) 物体と観測者には距離があるので、観測者は過去の物体を見て…

逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(3)

前回からちょっとあいてしまいましたが、物体から離れていく観測者から、物体の時間がどう見えるか、グラフで考える3回目です。 前回は、観測者から見た物体の時間の進み を の関数として求めました。 は物体の時間の進み、 は観測者の時間の進み、 は観測…

逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(2)

物体から離れていく観測者から、物体の時間がどう見えるか、グラフで考える2回目です。観測者が等加速度で物体から離れていく場合について考えます。(物体が観測者から離れていくの逆パターンです) 物体がいる慣性系から見た観測者の軌道を とします。(…

逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(1)

以前、観測者から離れていく物体の時間がどう見えるか、グラフで考えてみました。 今回は、その逆パターンとして、観測者のほうが動く場合を考えます。 なお、等速度の場合は、観測者が止まっていて物体が動いていると考えても、同じ結果なるはずですが、ま…

離れていく物体の時間をグラフで考える(4)

観測者から離れていく物体での時間がどう見えるか、グラフで考える4回目、昨日の記事のつづきですです。 等加速度で離れていく物体の軌道を 、物体の速度を としています。 は観測者から見た物体の位置、 は観測者の時刻、 は物体自体の加速度、 は観測者か…

離れていく物体の時間をグラフで考える(3)

観測者から離れていく物体での時間がどう見えるか、グラフで考える3回目、昨日の記事のつづきですです。 等加速度で離れていく物体の軌道を としました。 観測者から見た物体での経過時間は 倍になることがわかりました。 (式1) ただし、式1には特殊相…

離れていく物体の時間をグラフで考える(2)

観測者から離れていく物体での時間がどう見えるか、グラフで考える2回目です。今回は、等加速度で離れていく物体について考えます。 観測者から見た物体の軌道を とします。(時刻 で位置 に物体があります) は物体の位置、 は物体自体の加速度、 は観測者…

離れていく物体の時間をグラフで考える(1)

観測者から離れていく物体での時間がどう見えるか、グラフで考えてみます。 観測者から見た物体の軌道を とします。(時刻 で位置 に物体があります) は物体の位置、 は物体の速度、 は観測者の座標での時刻です。 物体から観測者に向かって光が2回放たれ…

動いている物体の時間の伸びの補足

慣性系Aから、相対速度 で動く他の慣性系A'を見たとき、A'の時間は、 倍に伸びて(ゆっくり進むように)見えます。 慣性系Aに観測者が固定されていて、慣性系A'に物体が固定されているとき、観測者から見た物体の時間は、 倍(物体が観測者に正面向かってく…

加速運動する物体を慣性系から見る:Y軸編(5)

一昨日の記事で、x軸方向へ定加速度 で動いている物体を、y軸方向に速度 で動く慣性系から見たときの物体の速度 を求めました。 です。 また、逆に、x軸方向へ定加速度 で動いている物体から、y軸方向に速度 で動く慣性系Aから見たときの速度 も、以前の記事…

時間の伸びの注意点

時間の伸びについて、時々勘違いしそうになることがあります。 ある慣性系Aで起きる物理現象Fが式 で表されるとします。 は系Aでの時刻です。 この物理現象を、系Aに対して速度 で動いている系Bから見ます。 系Bから見て系Aの時間は、 倍に伸びて(ゆっくり…

自由落下で重力をキャンセルできる?

自由落下によって、本当に、重力をキャンセルできるのでしょうか。 また、重力をキャンセルできるとして、どのようにキャンセルできるのでしょうか。 (1)「潮汐力」 「自由落下によって重力は完全にはキャンセルされず、潮汐力が残る」と言われることがあ…

ふたつの時間の遅れ

特殊相対性理論によれば、動いている系の時間は伸びて(ゆっくり進むように)見えるということでした。 系Aから見て系Bが速度 で動いているなら、逆に、系Bから見て系Aも速度 で動いています。 速度による時間の伸びは対称で、互いに相手の時間が伸びて…

GPSの時間補正は相対論の証明か

相対性理論の応用として、GPS(全地球測位システム)(GNSS(衛星測位システム)と言ったほうが正確かもしれません)がよく挙げられます。 相対性理論を用いたGPS衛星での時間補正が必要な理由として、 軌道速度(秒速約4キロメートル)のため特…

向かってくる・遠ざかっていく物体での光速度(1)

以前の記事で、向かってくる・遠ざかっていく物体では、見かけの速度によっての時間の伸び縮みがあることを書きました。これは、ドップラー効果によるものです。 「どうせ見かけの速度でしょ」と思われるかもしれませんが、一般性相対性理論では重力ポテンシ…

「速度」は誰が見た速度

特殊相対性理論で物体の速度について話題にするとき、「ある慣性系Aで観測した物体の速度が v であるとき」のような表現がよく出てきます。この速度とは、誰にとっての速度でしょうか。 以前の記事「向かってくる物体は超光速にも見える」などでも書きまし…

向かってくる・遠ざかっていく物体の時間の伸び縮み

以前、「向かってくる物体は超光速にも見える」という記事を書きました。 向かってくる物体の見かけの速度 は、実際の速度を とすると、 に見えます。 遠ざかっていく物体では、 となります。 この、向かってくる・遠ざかっていく物体の時間の伸び縮みをみて…

2階建てロケットに乗る(5)

等加速度 で宇宙を旅する2階建てロケット。1階と2階との時間の流れが違いを計算する準備ができています。 2階から見たときの1階の時間の伸びは、 でした。(注意:居残りA視点から見た、時間の伸びです) 2階で経った時間 と1階で経った時間 の関係…

2階建てロケットに乗る(4)

等加速度 で宇宙を旅する2階建てロケット。 1階と2階の距離を とすると、1階の乗務員Aが時刻 のときに出した光信号が2階の乗務員Bに届く時刻 は、 (式1) でした。(注意:居残りAの視点から見た時刻です) 今回は、具体的な数値を入れてみましょ…

2階建てロケットに乗る(3)

等加速度 で宇宙を旅する2階建てロケット。1階と2階とで時間の流れが違うという噂の真偽を確かめています。 前2回の記事では、1階にいる乗務員Aが出した光信号が2階の乗務員Bに届くときの、Bの座標 を求めました。 乗務員A、Bは等加速度で運動し…

2階建てロケットに乗る(2)

昨日の記事で、1階の乗務員Aからの光信号が2階の乗務員Bに届いたときのBの座標を求めました。 (式1) 1階から光信号を出したときの一瞬の慣性系に居残ったAから見た座標です。 式1からわかること。乗務員Bは、時間 だけ過去の乗務員A(時刻 にい…

2階建てロケットに乗る(1)

さて、突然ですが、2階建てのロケットに乗ってみましょう。このロケットは、等加速度 で宇宙を旅しています。 ひとつ、困ったことが。どうも、1階と2階とで時間の流れが違っているようなのです。おかしいですね。1階でも2階でも加速度は同じ、速度も同…