逆:離れていく物体の時間をグラフで考える(6)
物体から離れていく観測者から、物体の時間がどう見えるか、グラフで考える6回目です。(このシリーズの最終回です)
前回は、観測者から見た物体の時間の進み を、観測者と物体との距離 の関数として求めました。
(式1)
ただし、 は物体の慣性系での観測者と物体との距離でした。
今回はこれを、観測者の慣性系での観測者と物体との距離に変換してみます。
物体の慣性系では観測者が速度
で動いています。
物体の慣性系での距離が でしたので、観測者から見るとその距離は、
に縮んで見えます。
これを計算すると、
です。
観測者の軌道
から
ですので、
です。
を表す式に変形します。
これを式1に代入します。
(式2)
です。
極限値をはっきりさせるため、式2の分子・分母に を掛けます。
です。
観測者から見た物体の時間の進みは、 で 。
観測者の時間の進みと、物体の時間の流れは同じです。
で 。
観測者から見て、物体の時間は止まります。