柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

GPSの時間補正は相対論の証明か

相対性理論の応用として、GPS(全地球測位システム)(GNSS(衛星測位システム)と言ったほうが正確かもしれません)がよく挙げられます。

相対性理論を用いたGPS衛星での時間補正が必要な理由として、

  1. 軌道速度(秒速約4キロメートル)のため特殊相対性理論によって時間の進み遅くなる
  2. 地表からの高度(約2万キロメートル)が重力ポテンシャルとなり一般相対性理論によって時間の進みが速くなる

という説明を見かけます。

その時間補正がうまくいくことが相対性理論の正しさの証明である、のように書かれていることもあります。

でも、上の1、2は、相対性理論による時間の補正の説明として正確でしょうか。

まず1ですが、速度差を言うのであれば、「相対性」としては、地球に対する速度ではなくGPS受信機との速度差を考えなければなりません。

地球の自転に影響を受けるGPS受信機の位置(経度・緯度)や受信機を積んでいる乗り物(特に航空機)の速度の考慮が必要です。

次に2ですが、衛星は地球に向かって自由落下していますから、高度2万キロメートルの塔の上と地表との重力ポテンシャルとは違います。

一般相対性理論を持ち出すなら、そのことも考えたいところです。(衛星軌道が楕円であることの影響のほうが大きいかもしれません)

GPS衛星では、相対性理論(時空は重力)に関する時間の遅れ以外に、電離層遅延、マルチパスなどの効果も考えられています。

結構複雑ですね。

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