一昨日の記事で、遠ざかる速度が距離に比例する物体について書きました。
この物体の動きには(特殊)相対性理論が考慮されていません。
言い換えると、特殊相対性理論を受け入れるなら、このような物体の動きはあり得ないということです。
「観測者の視点」をはっきりさせましょう。
「観測者」を入れて文を書き直すと、ちょっと冗長ですが、「観測者から見た物体の速度が、観測者から見た観測者からの距離に比例する」となります。
速度が観測者からの距離に比例するのであれば、ある距離に達した物体の速度は光速度を超えることになってしまい、特殊相対性理論とは相容れません。
宇宙論では「宇宙の膨張により、ある距離より離れた天体(銀河群など)は、光速度以上で後退するため観測することはできない(光がここまで届かない)」という説明をみることがあります。
「物体の速度は光速度を超えないが、膨張しているのは空間であり、その速度が光速度を超えても相対性理論とは矛盾しない」と書かれていることもあります。
それは、ちょっと苦しい言い訳ではないかと思います。
なお昨日の記事では、加速度が距離の2乗に反比例する物体について書きました。
こちらのほうは、速度はいづれゼロになり、光速度を超えることはなく、特殊相対性理論とは矛盾はありません。