動いている物体を異なる慣性系から見る:X軸編(4)
動いている物体を異なる慣性系から見たとき、一方の系から見た物体の位置と速度が、もう一方の系から見るとどう変換されるかの4回目です。
2回目では、等加速度で動いている物体を系A’から見た場合の位置 がわかっている場合に、系Aから見た物体の位置がどうなるか調べました。
そのときのの計算がちょっと大変だったので、今回は、もう少し簡単な計算方法を考えてみます。
まず前提として、ローレンツ変換の式は
です。(ここで、)
系A’から見た場合の位置 は、
(式1)
でした。
系A’の時刻 で物体の位置は です。
式1を、双曲線関数であることが容易に分かる形であらわすと、
(式2)
です。(「深宇宙探査機を見送る(4)」を参照してください)
式2に、ローレンツ変換の式を代入します。( を と書きます。掛け算の記号は省略します)
2乗を展開します。
両辺から を引きます。
式の見た目を簡単にするため、一旦 で割ります。(このあとは2回目と同じになりますが、そのまま進めます)
2乗を展開します。
を相殺します。
に関する項と に関する項とを分けます。
を で置き換えます。(ですので)
を掛けます。
完全平方式で整理します。
定数項を右辺に移し、整理します。
を で置き換えます。
これでもう、 が双曲線関数であることがわかりました。
もう少し変形して に関する式にします。
となります。
それほど簡単にはなりませんでしたね…。