動いている物体を異なる慣性系から見る:X軸編(2)
動いている物体を異なる慣性系から見たとき、一方の系から見た物体の位置と速度が、もう一方の系から見るとどう変換されるか。
今回はその2回目です。
昨日の記事で、ローレンツ変換の式
(式1)
(式2)
を使い、系A’から見た物体の位置 の形がわかっているとき、それをもとに の形は、
(式3)
となりました。
簡単な場合として、等速度で動いている物体を見た場合について式1を解きました。
今回は、等加速度で動いている物体を見た場合を考えます。
等加速度 で動いている場合の物体の位置は、以前の記事で求めました。
系A’から見た物体の位置 は、
(式4)
です。
これは双曲線関数になっています。
時刻 のときの物体の位置は です。
式4を使うと、式3は、
(式5)
となります。
式を変形します。(以降、 を と書き、掛け算の記号は省略します)
右辺を平方根だけにし、両辺を2乗します。
左辺の2乗を展開し、両辺の共通項を相殺します。
両辺を で割ります。
両辺の2乗を展開し、両辺の共通項を相殺します。
にかかる項を左辺に集めます。
を で書きます。
両辺に を掛けます。
左辺を完全平方式でまとめます。
右辺を完全平方式でまとめます。
右辺第2、3項の にかかる項を整理します。
右辺を でまとめます。
両辺の平方根を取ります。
結構計算が大変でしたが(もう少し簡単にできるかもしれません)、系Aから見た物体の位置 は、
(式5)
となり、こちらも双曲線関数になっています。
なお、時刻 のときの物体の位置 は、
です。
平方根の中は、
となりますので、
です。
時刻 のときの物体の位置は です。