柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

非相対論でのシュワルツシルト半径

加速度が変化する場合(6)」の記事で、加速度が原点からの距離の2乗に反比例する場合の物体の位置、速度について求めました。

物体の位置と時刻を媒介変数 \theta を用いて、位置と時刻は、

 \displaystyle x(\theta)=x_0×\cosh^2 \theta (式1)

 \displaystyle t(\theta)=\sqrt{\frac{x_0^3}{2×b}}×(\sinh\theta×\cosh\theta+\theta) (式2)

速度は、

 \displaystyle v(\theta) =\sqrt{\frac{2×b}{x_0}}×\tanh\theta (式3)

でした。(\pm は省略しました)

式3を見ると、速度には \displaystyle\sqrt{\frac{2×b}{x_0}} という上限があります。(\theta \to \infty\tanh\theta \to 1 ですので)

加速度は距離の2乗に反比例しますのでどんどん小さくなります。
そして、速度は増えなくなり一定の値に近づくということです。

この「加速度が変化する場合(6)」の記事は、非相対論的に考えていました。

相対論的な考えであれば、速度はどんなに増えても、光速度を超えることができず、光速度に近づいていきます。

加速度が距離の2乗に反比例する場合には、非相対論でありながら、一定の値に近づいていくのですね。

このため、非相対論でもシュワルツシルト半径のようなことが考えられます。

式3の速度の上限値が光速度であるとすると、

 \displaystyle \sqrt{\frac{2×b}{x_0}}=c (c光速度

です。

これから、

 \displaystyle \frac{2×b}{x_0}=c^2

 \displaystyle \frac{2×b}{c^2}=x_0

となりますが、

b重力定数×天体の質量、x_0 を天体の半径とすると、シュワルツシルト半径と等しくなります。

なお、非相対論で考えたシュワルツシルト半径と、相対性理論で考えるシュワルツシルト半径とが、式の形だけでなく係数までもが一致するのは、たまたま偶然とされています。

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