加速度が変化する場合(5)
昨日の記事のつづきです。
以下を想定し、
・時刻 のときの物体の位置は
・時刻 のときの物体の速度は
・加速度は原点からの距離の2乗に反比例: ( は比例定数)
(式1)
を立て、関数 の形を
と想定して解いてみましたが、うまく解けませんでした。
式1が簡単に解けない理由は、三つあります。
①二階微分方程式であること
②加速度が時刻の関数ではなく位置の関数であること(位置が時刻の関数ですので、結局は時刻の関数ですが)
③解法がよくないこと
方程式を立て直してこれらを解消し、解を求めてみたいと思います。
まず、式1が二階微分になっているのは、加速度と位置との関係式だからですね。
加速度と速度との関係式を立てることができれば、一階微分になります。
加速度は速度 の時間あたりの変化 である、と考えて式1を書き直すと、
です。
一方、速度は物体の位置によっても変わりますので、加速度は距離当たりの変化とも考えられます。
時間あたりの変化 と距離当たりの変化 との関係は、
ですが、 ですので、
と考えることができます。
これで式1を書き直すと、
です。
これを変数分離で積分します。
積分の範囲は、時刻 がゼロからとすると、初期条件から、位置は から、速度は からとなります。
積分は、
(式2)
です。
この式2を解いてみましょう。
式2の右辺は、
(式2右辺)
です。
式2の左辺は、
(式2左辺)
です。
式2の左辺、右辺を合わせて、
です。
を書き戻して、
両辺の平方根をとり、
です。
これを再び変数分離で積分します。
(式3)
式3の左辺は、
(式3左辺)
です。
式3の右辺は、ちょっと複雑なので、
と置きましよう。
これは、置換積分というよりは、これ以降、 と を媒介変数 で表すこととします。
これで式1が簡単に解けなかった理由③を解消します。
式3の右辺は、
となります。
ここで は、
ですので、
(式3右辺)
となります。
式3の左辺と右辺を合わせて、
です。
まとめると、媒介変数 で、物体の位置と時刻が表せました。
さて、本当に元の方程式の解になっていますか。(つづく)