全宇宙会議での標準静止系の提案:つづき
3か月ほど前の全宇宙会議で、CMB(宇宙マイクロ波背景放射)に対して静止している系を「宇宙標準静止系」とすることが決まりました。
今回、その議題のつづきとして、空間の3軸(x、y、z軸)も決めてしまおうということになりました。
いままで、 空間の3軸の方向については、それぞれが都合のいいように(計算が簡単になるように)勝手に決めていいことになっていました。
でもそれだと「上」がバラバラなんです。
たとえばスターウォーズとかで船隊を組んで飛行するとき、絵にならないんですよね。
宇宙空間には上下はないのに、どういうわけか、宇宙船は上下のあるデザインになっています。
誰にでも納得のいくように3軸を固定するのは、なかなか難しい課題です。
議論の結果、「誰にでも」というのは難しいので、まずはローカルシートの中だけで合意することにしました。
x軸:われわれから見てケンタウルス座銀河団の方向。グレートアトラクタがあるといわれている方向です。
y軸:ローカルボイドの反対方向。なぜ反対方向にするかというと、ローカルボイドから受ける力が斥力だからです。
これで「上」をそろえて船隊を組むことができるようになりました。