柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

大きさのある物体の加速

大きさのある物体が等加速で動くとき、ふたつの場合が考えられます。

ひとつは、その物体のすべての部分が同時に加速し、同じ速度を持つ場合です。

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以前の記事「2階建てロケットに乗る」では、そのような場合を想定していました。

この場合、静止している観測者の座標から見て、物体の大きさは変わりません。
また、物体の中で、加速度方向に (1/a) 離れている場所からの光は届きません。(a は加速度)

 

大きさのある物体が等加速で動くもうひとつの場合は、物体のある点が最初に加速し、その加速度が物体の剛体を伝わって全体が加速していくという場合です。

この場合は、最初に加速した点からの距離に応じて、各部分が加速し始め、各部分の速度は加速し始めたからの時間に依ります。

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例えば、底面に推進装置がついているロケットや、上面がロープで引っ張り上げられるエレベータなどがこれに相当します。
物体が相対論的剛体であれば、加速度は各部分に光速度で伝わります。

この場合、物体の大きさが変わります。
底面に推進装置がついているロケットなら底面のほうの速度が速いですから、底面が加速し続ける限り、どんどん縮んでいきます。

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