深宇宙探査機に乗って、見る(5)
昨日の記事のつづき。加速度運動する深宇宙探査機に乗った観測者が見た、物体(地球)の速度についてです。
深宇宙探査機は、時刻 に地球を出発したとします。
その後、等加速度 で地球を離れていきます。
地球の位置は で、静止しているとします。
地球から見た深宇宙探査機の速度は、
(式1)
地球から見た深宇宙探査機の軌道は、
(式2)
です。
地球から見て深宇宙探査機が位置 にいるとき、地球から見た深宇宙探査機までの距離は ですが、この距離を深宇宙探査機から見ると、
に縮んでいます。
これを計算してみましょう。
深宇宙探査機が位置は、式1を変形して、
です。
距離の縮みは、式2から、
です。
合わせると、
(式3)
となります。
これが、深宇宙探査機から見た地球までの距離です。
深宇宙探査機から見て、地球がどれくらいの速度で離れていくのかは、これを時間で微分すればよいですね。
ただし、式3の は地球での時刻です。
深宇宙探査機から見た地球の速度を出すには、深宇宙探査機の時間で微分しなければなりません。(つづく)