柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

深宇宙探査機に乗って、見る(4)

もう4か月近く以前になりますが、加速度運動する深宇宙探査機に乗った観測者が見た、物体(地球)の速度について記事を書きました。

そのとき「これらは誰から見た物体の速度でしょうか?」という問いを出しましたが、どうも、答えがすっきりしていなかったように思います。

その原因は「速度」の定義です。

ふたつ問題点があります。

 

まず、以前の記事では、加速度を求めて、それを時間で積分して速度としていました。

加速度を時間で積分するとは、一瞬一瞬の加速度にその瞬間の微小時間間隔を掛けて足し合わせるということです。

積分は、その微小時間間隔が一定であるという前提で行います。

ところが、観測者が加速度運動をしている場合は、観測者の位置によって一瞬一瞬で時間の流れが異なります。

微小時間間隔が一定であるという前提で行った積分は、対象物と同じ位置にいる観測者が見た結果になります。

これは、前回の記事で「物体と同じ位置にいる観測者が見た速度です」と書いたとおりです。

 

次に、観測者から物体と離れているときには、観測者から物体までの距離は、観測者の速度によって縮みます。(ローレンツ変換

観測者が加速度運動している場合には、その縮み具合も変化しますので、それを「速度」として考慮する必要があります。

 

以上の2点を考慮して、深宇宙探査機に乗って見た、物体(地球)の速度について、補足を書いておこうと思います。(つづく)

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