柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

長さの縮み、時間の伸びの逆変換

慣性系AとBが、相対速度 v で動いているとします。

Aでの長さ l(相対速度 v の方向の長さ)は、Bから見て l’=l×\sqrt{1-v^2} に縮みます。
\sqrt{1-v^2}\leqq 0 であることに注意。光速度を1としています)

 

例えば、相対速度が光速度の50%だとすると…。

Aが「この棒は1メートルあります」と言っている棒をBが見て「それは86.6センチしかないよ」、「この棒と同じだよ」といって86.6センチの棒をAに見せます。
86.6=100×\sqrt{1-0.5^2}

それを見たAは「それは75センチしかないよ」、「この棒と同じだよ」といって75センチの棒をBに見せます。
75=100×\sqrt{1-0.5^2}×\sqrt{1-0.5^2}

それを見たBは「それは65センチしかないよ」、「この棒と同じだよ」といって65センチの棒をAに見せます。
65=100×\sqrt{1-0.5^2}×\sqrt{1-0.5^2}×\sqrt{1-0.5^2}

…と、棒がだんだん短くなりますが、これはよいのでしょうか?

この例で棒の長さがどんどん縮んでいくことは、それはそれでいいんです。
矛盾はありません。
相手の慣性系にある長さを見れば縮んで見えます。

 

では、Aの長さをBが見て l’=l×\sqrt{1-v^2} に縮んでいることの逆変換は?

それは l=l’÷\sqrt{1-v^2} に伸びることです。

Aでの長さが l なら、AはBに「この長さは l’=l×\sqrt{1-v^2} に見えるでしょう」と言えます。

Bから見てAの長さが l’ に見えるなら、Aでの長さは l=l’÷\sqrt{1-v^2} です。

 

時間も同じです。

Aでの時間が dt なら、AはBに「この時間は dt’=dt×\sqrt{1-v^2} に見えるでしょう」と言えます。

Bから見てAの時間が dt’ に見えるなら、Aでの時間は dt=dt’÷\sqrt{1-v^2} です。

 

地球から見てある天体までの距離が l であるとき、その天体に向かって速度 v で進んでいるロケットからは、その距離は l’=l×\sqrt{1-v^2} に見えます。

ロケットが「その天体までの距離は l' だ」と言うなら、地球から見た天体までの距離は l=l'÷\sqrt{1-v^2} です。(長さの縮みの逆変換)

地球から見てロケットがその天体に着くまでの時間が dt であるとき、ロケットにとってその天体に着くまでの時間は dt’=dt×\sqrt{1-v^2} に見えます。

ロケットが「その天体までかかった時間は dt' 」と言うなら、地球から見たロケットが天体に着くまでの時間は dt=dt'÷\sqrt{1-v^2} です。(時間の伸びの逆変換)

 

速度はどちらから見ても、距離÷かかった時間
 v=l÷dt=l’÷dt’=(l×\sqrt{1-v^2})÷(dt×\sqrt{1-v^2})
ですね。

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