柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

はかるということ

ものをはかる(計る、測る)というのはどういう行為でしょう。

ここに2本の棒、a、bがあるとします。
どちらが長いか、どうすればわかりますか。
2本を並べて、一端をそろえ、もう一端が出ているほうが長いですね。

でも、いつも棒を同じ場所に持ってこれるとは限りません。

この山Aに生えている一番高い木aと、向こうの山Bに生えている一番高い木bと、どちらが長いか、どのように比べましょうか。

それぞれの木の長さを測ります。
aの木の長さが l_a、bの木の長さが l_b で、l_a\gt l_b なら、aのほうがbより長いですか。

そう言えるのは、同じ基準(定規)で測った場合です。

aを測った定規でbも測ればよいです。
でも、定規を山Aから山Bまでもっていくのは大変。山が遠く離れていれば、ひとつの定規を持ち運ぶのは、現実的ではありません。

では、定規のコピーを作りましょう。

もとの定規から、長さと目盛りを写し取って定規のコピーを作り、そのコピーからまた次にコピーを作りと、定規にコピーをどんどん作って、あちこちの山に配ればよいです。

そして、測った長さの数値だけを比べればよいですね。
数値はものではなくデータですから、移動したり、交換したりは簡単です。

 

実際、われわれは、以前はそうやっていました。

縄に結び目(糸目)を付けて、それが何個分かで測っていたのです。

そこまで遡らなくても、1879年、パリに「国際メートル原器」が置かれました。
1890年には日本に、そのコピーである「日本国メートル原器」が到着しました。

しかし、コピーするときにどうしても誤差が生じますし、また定規自体が「もの」ですので温度や経年で変化します。

そこで、どこにでも同じものがあり、「もの」ではないもの、を定規として選びます。

1960年には クリプトン86元素が発する橙色の光の真空中の波長を長さのもとにしました。(自然現象を利用)

1983年には、光速を299,792,458メートル毎秒と定義し、299,792,458分の1光秒を1メートルとして定義しました。(物理定数として定義)
なお、1秒は、0Kかつ静止したセシウム原子時計で定義しています。

 

でも、われわれが日常生活で長さを測るには、299,792,458分の1秒はあまりにも短いですか?
約3.3ナノ秒です。

周波数にすると300MHz。
パソコンのCPUでもクロックが3GHzぐらいですから、計測器を作るのは余裕です。
位相のずれで測るなら、十分な精度のレーザー距離計が数千円で買えます。

f:id:Dr9000:20200717094732j:plain