柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

非相対論的極限

非相対論的極限、またはニュートン極限とは、

特殊相対性理論では:
光速度が無限大とみなせる場合にはニュートン力学と一致する」

一般相対性理論では:
「重力が十分小さい場合にはニュートン力学と一致する」

など。

まあ、ざっくり言えば「われわれの日常では、ニュートン力学で、ほぼ誤差が無視できる」ということでしょうか。

ただし、GPSのように、ニュートン力学での誤差が無視できない日常も出てきています。

 

さて、特殊相対性理論での「光速度が無限大とみなせる場合には、ニュートン力学と一致する」というのは、ちょっとおかしいと思いませんでしょうか。

なぜなら、ニュートン力学は「光速度は無限大」という前提に成り立っている理論ではないからです。

それどころか、ニュートン力学では、光の速度も光源の速度に依存する、つまり光速度であっても速度の合成は単純な足し算になる、と考えるのでした。

まあ、特殊相対性理論光速度不変とニュートン力学の速度の合成は単純な足し算とを両立させる大人の解決が、「光速度は無限大」となるのかもしれません。

無限大なら、単純な足し算の結果、不変となりますから。(\infty + x = \infty)

光速度が無限大」なら、例えば、長さの縮み率 \sqrt{1 - (v/c)^2} は1となり、長さは伸びません。

 

ところが、このブログのように光速度を1とする単位系を使っていると、「光速度が無限大とみなせる場合」という場合が使えません。

どうすれば「ニュートン力学と一致」するのでしょうか。

\displaystyle \frac{v}{c} \to 0c=1 という単位系ですから v\to 0 とします。
計算では、速度について2次以上の項を無視するようにします。(多項式での近似ですね)

例えば、速度の合成 \displaystyle \frac{u + v}{1 + u×v} は、u + v となり、単純な足し算になります。

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