柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

速度の合成の補足

何日か前に、速度の合成についての記事を書きました。

ある系Aで速度uで動く物体を、その系に対して速度vである系A'から見たとき、物体の速度wは、

 \displaystyle w = \frac{u + v}{1 + u×v}

になるというものです。

このように、ある系で動く物体を他の系から見ると、物体の速度は単純な足し算にはなりません。

 

しかし、ある系の中で、速度uで動く物体と速度vで動く物体がある場合には、それら物体間の相対速度は単純な足し算(u + v)でよいのです。

そして、その相対速度は光速度を超えることもあります。

 

例えば、物体aが光速度の80%で、物体bがそれに向かって光速度の60%で動くとき、それらの間の相対速度は光速度の140%になります。

時刻=0で物体a、bの間隔が100光年あったとすると、約71年後にふたつの物体は衝突します。

 

もちろん、物体aから物体bを見たとき(その逆も同じ)の速度は、

 \displaystyle w = \frac{u + v}{1 + u×v}

で求められます。

上の例だと、

 \displaystyle \frac{0.8 + 0.6}{1 + 0.8×0.6} = 約0.95

つまり、光速度の95%です。

物体が光速度より速く動くわけではありません。

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