光は横から見えない、レーザー銃はよけられない
特殊相対性理論の一般向けの解説書などで、動いている系の時間の遅れの説明に、光の軌跡が見えているような図が出てきます。
これが混乱を招いて「相対性理論は間違っている」という人が出てくる原因になっているのではないか。
われわれはものを光で見ていますが、それは光が観測者に届いたときに見えるのであって、それらの図にあるように、光を横から見ることはできないです。
スモークを焚いている中でレーザー光を発振すれば、光の通り道が見えるような気もしますが、それはスモークの微粒子に反射された光が、観測者の目に届いているのであって、光を横から見ているのではないです。
まあ、「光は最短距離を直進する」という仮説に立って、図に光の軌跡を描くことはできますが、本当に光がそこを通っているのかを確かめようと、通り道に小さな穴をあけた衝立(ついたて)を置くと、回折してしまいますね。
さて、映画マトリックスの中でネオは銃弾を仰け反って避けます。
また、エイトマンは、弾よりも速く動けるので、打たれた銃弾を手で集めて、バラバラっと落とします。
彼らはレーザー銃をよけることはできるのでしょうか。
レーザが放たれた、とわかったときにはすでにその光は自分に届いているので、よけることはできませんね。銃口が向けられたことを知ったときによけないと。