微分・積分って何に使うの
A1:永遠に来ません
微分・積分の教科書とか授業とか、微分・積分のやり方は教えてくれる(書いてある)のですが、何に使うか教えてくれることは少ないんです。
例えば、自動車の教習所(運転免許を取る人が少なくなった現在ではこの例えはわかりにくいかもしれません。英会話の教室とか、バイオリンのレッスンとか、ご自身に身近なことを思い浮かべてください)では、自動車運転の仕方は教えてくれますが、何のために自動車を使うのかは教えてくれません。
というか、自動車を何かのために使いたい人が、運転を習いに来るのですよね。
微分・積分も、何かのために微分・積分を使いたい人が習えばよいのですが、授業の順番の都合かもしれませんが、いつか必要なことが出てくるので、そのときにすぐに使えるように習っておきましょう、ということで習います。
そして、多くの人にとって、その「いつか」は永遠に来ないのです。
A2:物理で使えます
このブログでは物理っぽいことを書いていますので、物理でどう使うか説明します。
物理以外では、金融とか、天気予報とか、いろいろ使うようです。
物理ではどう使うか。
ざっくり言うと、目の前にあることから宇宙全体のことを想像するのに使います。
具体的には、宇宙全体のこのを表す関数を求めるのに使います。
そのやり方は、パターン化されています。
まず、宇宙全体のことをある関数で表せると想定します。
その関数の中身は、いまはわかりませんが(判っていればもうそれを求める必要はありません)、とりあえず とか置いてみます。
パラメータの は、時空間のある位置(時刻とか場所とか)です。
目の前にあることの変化を見ます。
例えば、さくらが昨日は蕾だったのに今日は三輪咲いているとか、わたしの家の前の道は緩やかなのに3軒先に行くと急な坂になっているとか、です。
われわれは、宇宙全体は見渡せませんが、目の前のことなら見えますので、観測によってその変化を見ます。
変化は、関数で表すと です。
ここで は、例えば「1日経った」とか「三軒先」とかの、パラメータの差(時間とか距離とか)です。
の中身はわからなくても、目の前の変化 は何とかわかります。
の中身を書くことができたら、それを で割ります。()
つまり、パラメータの単位ごとの変化を考えます。
次に、 をゼロに近づけます。()
これが微分です。
究極の小さな パラメータの差で、ことがどのように変化するか考えるわけです。
をゼロに近づけるって、どうするのか?
まあ、単にゼロを代入すればよいです。
がゼロに近づくと、 もゼロに近づきます。
このとき、 にならないよう、式をうまく変形します。
をゼロに近づけた結果、 と との混合式ができます。
それを使って、
という微分方程式を作ります。
それには、を分数のように考え(そんなことしていいの?)、
と変形します。
この左辺・右辺をそれぞれ積分します。
これで の中身が明らかになります。
以上のパターンで、宇宙全体のことを表す関数を求めることができます。
A3:運によります
積分は、運が悪いと(たいていの場合運は悪い)うまくできません。
そのときは、テーラー展開して高次の項をなかったものとします。
さらに運が悪いと(たいていの場合さらに運は悪い)それでも積分できないので、計算機にかけて数値解析します。