柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

距離の逆3乗は双曲線?

加速度が変化する場合(7)」で、加速度が原点からの距離の3乗に反比例する場合、

・時刻 t=0 のときの物体の位置は x_0\gt 0
・時刻 t=0 のときの物体の速度は v_0=0
・加速度は原点からの距離の3乗に反比例:\displaystyle \frac{b}{x^3} (b は比例定数)

物体の位置と時刻は、媒介変数 \theta を使って、

 \displaystyle x(\theta)=x_0×\cosh \theta (式1)

 \displaystyle t(\theta)=\pm\frac{x_0^2}{\sqrt{b}}×\sinh\theta (式2)

となることを求めました。

式1、式2から、媒介変数 \theta を消して、位置 x と時刻 t の直接的な関係式にしてみます。

式1から、

 \displaystyle x=x_0×\cosh \theta

 \displaystyle \cosh \theta=\frac{x}{x_0} (式3)

式2から、

 \displaystyle t=\pm\frac{x_0^2}{\sqrt{b}}×\sinh\theta

 \displaystyle \sinh\theta=\pm\frac{t×\sqrt{b}}{x_0^2} (式4)

です。

式3と式4をそれぞれ2乗して差し引きます。

 \displaystyle \cosh^2 \theta-\sinh^2\theta=1

 \displaystyle \left(\frac{x}{x_0}\right)^2-\left(\frac{t×\sqrt{b}}{x_0^2}\right)^2=1

 \displaystyle \frac{x^2}{x_0^2}-\frac{t^2×b}{x_0^4}=1

 \displaystyle x^2-\frac{b}{x_0^2}×t^2=x_0^2 (式5)

物体の軌道は双曲線ですね。

x_0=1/ab=(1/a)^2=x_0^2 とすると、式5は、

 \displaystyle x^2-t^2=(1/a)^2

となりますが、これは、等加速度 a で動く物体を静止系から見た軌道になります。(「深宇宙探査機を見送る(4)」を参照してください)

t=0 のときの物体の位置が x_0=1/a です。

物体の加速度は、静止系から見ると、位置の逆3乗に比例し \displaystyle \frac{(1/a)^2}{x^3} です。

等加速度で動く物体を静止系から見ると、その加速度は物体の位置の逆3乗に比例するとは、何とも不思議ですね。

なぜそうなるの?

われわれの時空がミンコフスキー空間であるから、としか言えないのですが。

f:id:Dr9000:20200918194408j:plain