柵(しがらみ)なき重力論

自由に重力論を展開します。

時計の機能:機械

昨日の記事で時計のことについてちょっと触れましたので、ついでに、重力、時間にかかわる時計の機能について書いておこうと思います。(時計なので、すべて時間にかかわる機能ですが)

 

(1)トゥールビヨン

トゥールビヨンは時計の心臓部である脱進器全体を回転させることによって、重力と姿勢差による部品のたわみの方向を平均化することにより、時計の精度を高めようとする機構です。

18~19世紀に発明され、20世紀になってから腕時計に搭載されたようです。

重力とゼンマイの方向とを平均化させ振動数を平均化するという説明もたまに見かけますが、ゼンマイ(ばね)の振動は重力には依りません。
部品のたわみや軸受けの摩擦方向を平均化させるというのが目的と思います。

ただ、トゥールビヨンの入っていない(機械式)時計は精度が悪い、ということも聞いたことがないので、いまとなっては、時計職人の技を示す、または動くアクセサリーというのが目的になっているのではないでしょうか。

 

(2)パーペチュアル・カレンダー

日付、特に閏年の修正が必要ではない永久カレンダーです。

どういう仕組みになっているのかよく存じませんが、4年で1回転する超スロー歯車が入っているのでしょう。

少し前までは(いまもそうかもしれませんが)、「2100年まで修正いらず」と言われていました。

なぜ2100年かというと、閏年は4年に一回、西暦が4で割り切れる年に、2月29日があります。

しかし、4で割り切れても、100でも割り切れる年は、例外として閏年とはなりません。
2100年は、20世紀以降の初めての例外の年になります。

えっ、2000年はどうだったの?
100でも割りきれても400で割り切れる年はそのまま閏年になります。
2000年は閏年でした。

地球の公転とわれわれのカレンダーとの差異の修正ですね。

さて、2000年はそのまま閏年だったので、「2000年問題」はその分、影響が軽かったです。

もし、キリストの誕生とコンピュータの誕生が50年ずれていたら「2000年問題」は起こらなかったでしょうし、100年ずれていたら「1900年問題」か「2100年問題」で、もっと大変になっていたかもしれません。

まあ、機械式時計だとゼンマイを巻き忘れて止まってしまったり、時差で日付を修正しなければならなかったりするので、実際はパーペチュアルにはならないです。

 

(3)デイトジャスト

機械式時計で、0時0分、日付が変わるときに、時計の日付・曜日表示がカシャッと一瞬で変わる機構です。

この機構がついていない機械時計では、11時30分ごろからヌ~ッと日付・曜日表示が変わり始め、1時前にその日の日付に落ち着きます。

さて、日付が変わる境目、午後12時0分0秒(午後11時59分59秒の1秒あと)と午前0時0分0秒は同じ時刻ですが、日本の法律では、例えば3月31日の 午後12時0分0秒は日付は3月31日に、午前0時0分0秒は4月1日になるそうです。(へんですね)

人は、誕生日の前日の午後12時0分0秒に、前の年齢が満了し、そして1歳齢が加算されます。

つまり、4月1日生まれの人は4月になる前にひとつ歳をとっているのですね。
入学の早生まれの問題ですが、入学だけだなく、選挙権や年金支給にも影響しますよ。

ちなみに、ロシア語では、0時~1時の前まではпервый час、第1の時刻です。(ややこしいです)
ランダウ-リフシッツを原語で読もうとロシア語を始める際には気を付けてください。

f:id:Dr9000:20200710150412j:plain