三角関数の闇
物理の計算をやっていると、三角関数、双曲線関数が否応なく出てきます。
が、ちょっとわかりにくくなることがありますね。
(1)ラジアン
いままで、一周は360度、直角は90度、三角形の内角の和は180度、と習っていたのに、急に、パイだの、2分のパイだのが出てきます。
記号も、 とか とか、出てきてしまいます。
「90度」には「度」という単位があったのに、「2分のパイ」には単位がありません。
このパイとかを、「いままでの角度に変わるものだ」と教えられるのが、わかりにくくなる原因です。
パイとかは、角度ではなく弧の長さです。もっと正確には、半径と弧の長さの比です。
「比」なので、単位はありません。
いままで、線が2本まじわっていれば角度ができていたのに、パイとかを理解するには円を想定しないといけないのですね。
弧の長さであるということを教えられていないと、三角関数の逆関数は、ますますわからなくなります。
(2)逆三角関数
このブログでは、逆三角関数を などと表記しています。
関数 の逆関数を と表記するのに倣ったものです。
この表記方法には批判があります。
を と表記する習慣がある(このブログでもそう書いています)ので、 は、 つまり と紛らわしいからです。
逆三角関数は などと表記することもできます。
これが、紛らわしさもない表記です。(こちらのほうが正式な表記かもしれません)
とは、「正弦()が となる弧の長さは 」という意味です。
が角度の大きさではなく、弧(arc)の長さであると理解していないと、この関数の名称の意味が分からないです。(または弓(arcus))
(3)逆双曲線関数
ちなみに、逆双曲線関数は、このブログでは などと書いていますが、 正式な表記では などとなります。
たまに などと書いている間違いを見かけますが、双曲線には弧(arc)がないので、そうは書けません。
の は、面積(area)ですね。