光速度不変は出発点ではなく結論
いままでの記事で、「時間の伸び」、「長さの縮み」、「ローレンツ変換」、「速度の合成」について書きました。
その中では、「光速度は不変」ということは使っていません。
使ったのは、「われわれのいる時空間はミンコフスキー空間で、世界距離の2乗はどの系から見ても同じ」ということです。
アインシュタインは、光の速度が不変(光源の速度によらず一定)という仮説から出発して特殊相対性理論を組み立てましたが、後に、ミンコフスキーが「ミンコフスキー空間」を使って数学的でエレガントに説明しました。
「われわれのいる時空間はミンコフスキー空間である」ことがより原理的な法則であり、「光速度は不変」はそこから導き出される結論のひとつなのではないでしょうか。
なお、「時間の伸び」も、「長さの縮み」も、「ローレンツ変換」も、「速度の合成」も、「世界距離の2乗は同じ」の式を変形しただけです。
「系によらず世界距離の2乗は同じ」とだけ言えば、特殊相対性理論は完了です?