慣性系とは:速度の方向
その慣性系が空間座標だけの座標系の場合、「慣性系どうしが相対速度 で動いている」というのは、慣性系A'のある座標 が、慣性系Aから見て、ある時刻 で座標 と対応し、またある時刻 で座標 と対応し、
ということです。
この場合、座標が離れていく方向、つまり が大きくなっていく方向が速度のプラス方向です。
空間の座標軸の方向には依存しません。
AがA'に対しプラス方向の速度を持っているなら、A'もAに対してプラス方向の速度を持っています。(近づくなら互いに近づく、離れるなら互いに離れる)
一方、時間座標も含む座標系としての慣性系では、AとA'の座標の関係はローレンツ変換
(ここで )
で記述されます。
この場合、x軸のプラス方向の速度がプラスの方向です。
AがA'に対しプラス方向の速度を持っているなら、A'はAに対してマイナス方向の速度を持っています。
逆変換では、速度の方向(プラス/マイナス)が変わります。(絶対値は同じ)